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子どもの気持ち ♯001

こんにちは。音楽教室リズム21講師の松本太郎です。

講師の松本太郎です。

僕は子供たちとお話しするのが大好きです。毎回リズムに行くのが楽しみです。今回は、先週の土曜日のお話を投稿します。

Kは、小学四年生の男の子。

ふじみ野の教室は三階にあって、階段から廊下まで扉を開け放してあるので、一階に誰かが来ると、レッスンをしていなければ声が聞こえる事があります。

Kが階段を登って来ると、足音で分かります。

「あっ、Kが来たかな?」

ドスン、ドスンと音がします。Kは、四年生にしてはとても大柄です。

やる気のない顔、ダラダラとした態度。それがいつものKですが、先週は違いました。ダラダラした態度に遠慮があって、表情は明るく、練習して来たのが分かります。大体、子供は練習して来たのかして来ていないのか、会った時に何となく分かります。

Kは練習するのが面倒くさいと言って、自分の好きな曲しかやらないし、一度出来たらそれ以上ほとんど練習せずに通って来る子です。

長い事ガヴォットをやっていて、次の発表会もガヴォットでやるのかなと思っておりました。

ある時、若手の先生が

「太郎先生、Kが弾くので見てください」と、声をかけてくださったので、聴いたのがきっかけでした。

その時僕が感じた事は、この子は、ピアノがすごく好きなんだということと、照れ隠しの演技をしているんじゃないかな?ということでした。

ぐにゃぐにゃやる気のない態度、本気で練習して来ない感じは、Kの能力を考えると、明らかに何かのアピールに見えました。

それで

「ねえ、Kはさ、こんな簡単な曲じゃなくて、もっと難しくてかっこいい曲が出来るんじゃないかと思うんだけど」僕は話しかけてみました。

Kは、相変わらずグダグダの態度で聞いていますが、明らかに興味が動いているのを感じます。

「もう、小学四年生だよね?もっと有名でカッコいい曲が出来るんじゃない?例えば、エリーゼのためにとか。エリーゼ弾いた?」

「まだですね。でも、同じ小学四年生ならHが今度弾きますね」

と、若手の先生が言いました。

「あ、Hちゃん同じクラスなんです」

と、Kのお母様。

Kは、3人のやり取りをグダグダの態度で聞いています。

Hは、小学三年生の時に入って来た女の子ですが、とても真面目ですごく進み具合も早い子です。元々、バイオリンを別の先生に習っていましたが、ソルフェージュとピアノを習いに音楽教室に来たのです。

Hはみるみる上手くなって、あっという間にエリーゼが弾けるようになりました。Kは幼稚園の頃から通っていて、あっという間に抜かされてしまったような印象です。

Kは、何も言いません。でも、僕は言いました

「Kさ、じゃあ子犬のワルツやろうか!ショパンだよ。知ってる?小学四年生で子犬のワルツが弾けるなんて凄いよ!エリーゼより難しいよ」

子供というのは不思議なもので、何も言わないのですが、丸まってグダッとした背中から、喜びと興味が溢れ出します。

「先生、ちょっと子犬のワルツ、弾いてあげてください」

先生が弾いてあげます。

僕は、トランペットの専攻だったので、ピアノはそこまで弾けないのです。

先生が弾いてあげると、Kの顔がニヤニヤしています。

「やってみようか。でも、これ難しいんだよな。中学生がやるような曲だからな。流石にKには無理かな?」

Kは

「これが出来たらHより凄い?」

と、聞いて来ます。

「そりゃあ凄いさ。でも、今みたいに練習して来たんじゃ出来ないなあ。沢山練習しないとダメだな。Kは練習嫌いでしょ?もっと簡単な曲にしようか」

「俺、やる」

Kはやる気です。正直、ハードルが高すぎるかとも思っていました。

ところが次の週、Kは何と凄い勢いで練習して、驚くほどしっかり子犬のワルツを途中までやって来たのです。

「凄いじゃないか!」

僕はKに言いました。

「こんなに出来るなんて、先生びっくりしたよ!K、先生が一番喜ぶことって何か知ってる?」

Kは首を横に降ります。

「沢山練習して、頑張ったんだなってわかる事なんだよ。Kには分からないかもしれないけど、沢山練習してきたら、嬉しくてその日一日ずっと楽しくなっちゃうくらい嬉しい事なんだよ。そうですよね?先生」

先生は、大きく頷きました。先生の目に、涙が浮かんでいます。

僕も感動してしまいました。

お母様の目も真っ赤です。

お世辞にも凄く上手いとは言えないかもしれませんが、Kがどれくらい今週頑張って来たのかが、想像できました。

子供は、言葉ではなく身体で言いたい事を伝えて来る事がよくあります。

何故その態度なのか、何故その表情なのか。

言葉には出したくない事が沢山あるんですね。

でも、想像してちゃんと理解してあげられると、言葉がなくても、質問するだけでも会話が成り立ちます。

子供に限らず、大人でも、本当に頑張って一つのことを成し遂げようと努力している姿には感動を覚えざるを得ません。上手い下手は二の次で、心を打つピアノになるのです。

子供達がやる気になって、生き生きとピアノをしているのは、本当に感動的です。

僕は、子供達と話をするのが本当に大好きです。

言葉を使わない会話の方が、沢山子供の気持ちをわかる事が出来ます。

ピアノだったり、行動だったり、態度だったり。

こちらが相手の言いたいことが理解できるまで、子供は反発の態度です。でも、一旦わかると驚くほど素直になります。

一つのことを一生懸命やることで、人を感動させる喜びを、大切な宝物にして欲しいと思います。

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