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バレエレッスンピアニストの苦労話

発表会の前は大変なのだ

発表会前というのは、何かと準備が多くて大変な時期です。

バレエの演目の中には、既存の楽曲を編曲・組み合わせて、ひとつの作品として構成されているものがあります。

例えば、
・スーザのマーチをまとめた「スターズ・アンド・ストライプス」
・チェルニーの練習曲をもとにした「エチュード」
・オッフェンバックのオペレッタを集めた「パリの喜び」

などが挙げられます。

こうした作品は、バレエ用の楽譜がそのまま出版されているわけではないため、
発表会などで扱う際には、ピアニスト自身が準備を行う必要があります。

具体的には、
・音源を聴く
・資料や楽譜を探す
・どの曲のどの部分が使われているか特定する
・転調やカット、曲同士のつながりを把握する

といった作業を経て、レッスンや振付で弾ける状態にしていきます。


「パリの喜び」という作品

今回は、その中でも準備が大変だった作品の1つ、
「パリの喜び」についてご紹介します。

この作品はオッフェンバックのオペレッタの数々をロザンタル(この方はラヴェルに作曲を師事し、指揮者として活躍した。)が編曲をした作品で全22曲(たぶん)から構成されており、元となるオペレッタは10作品以上に及びます。

つまり、ひとつの作品を成立させるために、
膨大な楽曲の断片が組み合わされているのです。


曲構成

以下のように、それぞれ異なる作品から素材が選ばれています。

  • 1. 序曲(パリの生活 第4幕冒頭より原曲はG: バレエはD:)
  • 2. アレグロ・モデラート (市場の女商人 第1曲より 原曲はG: バレエはG:)
  • 3. ポルカ (月世界旅行 第26曲より 原曲はG: バレエはEs:)
  • 4. レントラー (リーシェフとフリッツェン第3曲より 原曲はA: バレエはA:)
  • 5. マズルカ (ヴェルヴェル 第12曲より 原曲はG: バレエはF:)
  • 6. ワルツ (パリの生活 第4幕冒頭、第22曲より原曲はA: バレエはB:)
  • 7. ブラジル人の入場 (パリの生活 第6曲より原曲はF: バレエはE:)
  • 8. ポルカ (美しきエレーヌ 第15b曲より原曲はF: バレエはDes:)
  • 9. ワルツ (地獄のオルフェ 第2曲より原曲はE: バレエはD:)
  • 10. マーチ (アルカザールの竜巻 第2曲より原曲はA: バレエはB:)
  • 11. ワルツ (美しさエレーヌ 序曲より原曲はE: バレエはEs:)
  • 12. ブラジル人(原曲ではブラジル、バレエではペルー人)の入場 (パリの生活 第6曲より原曲はF: バレエはGes:)
  • 13. ワルツ (ホフマン物語 第12曲より原曲はG: バレエはD:)
  • 14. 決闘 (月世界旅行 第30曲より 原曲はe: バレエはe:)
  • 15. ワルツ (ラ・ペリコール 第7曲より 原曲はEs: バレエはD:)
  • 16. カンカンへの導入 (この曲はロザンタルによる補筆)
  • 17. カンカン 1 (ロビンソンクルーソー 第1曲より原曲はG: バレエはG:)
  • 18. カンカン2(地獄のオルフェ 第9、10曲より原曲はG: バレエはG:途中転調)
  • 19. カンカン3 (ポプリ とありましたが詳細不明)
  • 20.カンカン4(パリの生活 第6曲、他より原曲はF: バレエはE:→C:)
  • 21.カンカン5(天国と地獄 より原曲はD: バレエはD:)
  • 22.終曲(ホフマン物語 第24曲より原曲はD: バレエはD:)

ピアニストにとっての難しさ

これらのヴォーカルスコアを一つひとつ調べて、
・原曲の特定
・調性の違い(原曲とバレエ版)
・構成の整理
・出どころが不明な曲の採譜

を行い、実際に弾ける形に整えるまでに、私は約2ヶ月を要しました。

あらすじ (wikipediaより)

幕が開くと、ウェイターと清掃婦たちが夜の開店前の準備をしながら陽気に踊ります。最初に到着したのは可愛い花売り娘、スカートを揺らして楽しそうに踊ります。次に6人の騒がしいココデット(娼婦のような装いの女性)たちが登場し、3人のビリヤード選手と賑やかにマズルカを踊ります。次に、グラマーな手袋売りが登場すると、その場の皆が魅了されます。
音楽が変わり、金持ちのペルー人が到着します。パリの夜遊びへの期待でエキサイトしたペルー人の金持ちぶりにココデットたちは興味を持ちますが、ペルー人は手袋売りが気に入ります。ワルツが流れて入ってきたハンサムな子爵もたちまち手袋売りに魅了され、二人で仲良く踊ります。
音楽がマーチに変わり兵隊たちの到着を告げ、彼らもココデットや花売り娘と踊ります。その時社交界の花形、高級娼婦のラ・リオンヌが公爵にエスコートされて登場します。部屋は恋の冒険を求める男女であふれています。

赤いドレスで注目を集めるラ・リオンヌは、将校に心ひかれます。手袋売りは、ペルー人に気のあるそぶりをして子爵に焼きもちを焼かそうとしています。公爵は手袋売りに目をつけ、将校、子爵、ペルー人の踊りに加わって、彼女を高く持ち上げ可愛い足を露出させます。4人の男は喧嘩になり、人々も加わって大騒ぎになりますが、手袋売りと子爵は抜け出して、二人きりでロマンティックなワルツを踊ります。
カンカンの踊り子が登場し、フリルのスカートと黒いガーターの衣装で、ハイキックや目の回るようなスピンの踊りを次々に繰り広げ、最高潮に達します。
興奮が去ると、ゆったりとしたバルカロール(舟歌)が流れて皆が帰り支度を始めます。ラ・リオンヌは将校と、公爵は花売り娘と出て行き、皆がペアになって夜闇に消えて行きます。ペルー人は、手袋売りが待っていてくれることを期待して戻ってきますが、彼女が子爵と抱き合っているのを見つけてガックリ、一人淋しくスポットライトを浴びて幕が閉じます。


最後に

この情報が、これからバレエに関わるピアニストの方や、
興味を持っている方々の参考になれば嬉しく思います。

次回は、ジャズなどアメリカの音楽とバレエの関係について触れてみたいと思います。

それではまた。

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